アーカイブ視聴「吃音の基礎知識と心理支援」
■概要
・第1部
吃音症は幼児期に約5%に発症し、小学生以上では1%までに自然回復する疾患です。吃音は連発、伸発、難発の3種類ありますが、その原因及び治療について、過去と現在は全く違うものに変化しています。原因論として、話し方の真似や、左利き、親が吃音のある子に意識させること、遺伝や体質ではない、と言われていた歴史がありましたが、現在は吃音の原因について体質の要因が8割であると分かっています。
治療に関しては、戦前は「吃音は治せる」という認識でしたが、現在は吃音とうまくつきあっていくことが重要と考えられています。吃音は多様性の一つと考えられているのです。
ただ、ユーザーやその保護者からの「吃音はなおりますか?」という質問に答えられる科学的根拠を共有したいと思います。吃音のエビデンスを知ることが、相談を受ける方の自信につながるのです。
また、吃音のメカニズムも説明します。「緊張するから吃音が出る」のではなく、吃音は発話のタイミング障害が主で、不安や緊張は二次的な要因です。そうした吃音のメカニズムに応じた支援法についてもお伝えします。
・第2部
吃音症の支援として、3つの方法があります。1つ目は吃音そのものの発話の支援、2つ目は話の聞き手の支援、3つ目は吃音のある子の心理面の支援です。
吃音そのものの発話支援とは、吃音を軽減する手段、吃音の波を理解すること、自然経過を待つことです。
話の聞き手の支援は非常に有用です。子どもたちからのからかいやいじめの対応法として、早期に担任教師などからクラスの子たちに吃音の説明をすることです。からかいやいじめは、真似・指摘・笑いの3種類のいずれかであることが多く、子どもと吃音の話題をオープンにすることで防ぐことができます。
学校の中での困難場面として音読や発表、健康観察、日直、職員室の入室時の挨拶などがあり、吃音のある子は多岐な場面で困難感を感じます。困り感を子どもとオープンに話し、合理的配慮を利用する方法も解説します。
吃音のある子は発話場面に心理的に不安や恐怖を感じます。吃音の二次障害として、社交不安症の併発の割合が高く、不登校にも関連していることが知られています。
こうした吃音の子どもやその保護者、教師などに対する支援について詳しく解説する予定です。
■講師
菊池良和 先生
所属:九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科助教
資格:医師、医学博士、等
経歴:九州大学医学部を卒業し、大学院では臨床神経生理学教室で、「脳磁図」を用いた吃音者の脳研究を行い、国内外での受賞。現在、九州大学病院耳鼻咽喉科で吃音外来を担当し600名以上の診察歴あり。吃音の著書は15冊出版し、吃音の講演会を全国各地で行っている。医師の立場で吃音の臨床、教育、研究を精力的に行っている。
■収録時間
約4時間00分
■アーカイブ視聴期間
無期限
■参加費
4,500円
・体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
・支払い方法は銀行振込、コンビニ払い、クレジットカード払いがあります。
・自治体などで請求書払いが必要な方は以下の申し込みフォームからご連絡ください。
https://s-office-k.com/professional/seminar-bill
■オンライン開催
Vimeoを用いています。
■参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、吃音当事者やそのご家族など。吃音の子どもやその保護者の支援などに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
■申し込み期日
無期限
■主催
(株)心理オフィスK( https://s-office-k.com/ )
■その他のセミナーの一覧
https://s-office-k.com/professional/seminars
■詳細と申し込み
参加希望者は以下から申し込みください。
https://s-office-k.com/product/semi-stuttering-support