【地域で活躍できる作業療法士】養成に向け、OTが関連する地域活動と重要なトピックス‼️

今回は、2025年2月24日開催の「介護予防リハビリテーション多職種研修会」での講義内容から抜粋してご紹介します。

さて、皆さんは「総合事業」とか「地域ケア会議」などの言葉をきいたことはありますか?


介護予防・日常生活支援総合事業(通称:総合事業)

総合事業は、市町が中心となって地域の実情に応じて、地域の支え合い体制作りを推進し、要支援者等に対して効果的・効率的な支援を可能とすることを目的とするものです。

そのため、取り組みも市町に応じてバラつきがあり、「多様なサービスが全て整っている」ことを目的とするものではありません。

地域の現状を把握し、理想とのギャップを認識して、対策を行うためには目的と情報の共有を行うことが重要で、それらを踏まえて適切な場所に専門職を配置していきます。

今回の研修では、明和町の取り組みが紹介されました。

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地域ケア会議

高齢者のQOL向上に向けては、介護支援・予防の観点など様々な視点を踏まえて、状態改善を導きつつ自立を促すことが必要ですよね。
このため各地域では【地域ケア会議】と呼ばれる、各ケースについて対策内容を協議する生活支援会議を開催しています。
(講演にあった伊勢市であれば月2回開催し、1回につき3件を検討)

作業療法士もこの会議にアドバイザーとして参加し、専門知識を活かした意見提供を行なっています。


これらを行なっていくために有効な考え方『生活行為向上マネジメント』

認定OTや登録OTの研修要件にもなっているので、聞いたことがあるかも知れませんね。

「してみたい」という意思が関与する動作や生活習慣こそ、生活行為と呼びます。

こういった合意形成は、重度な方ほど、家族や支援者の選択(「家ではお風呂に入れるのたいへんなので」等)に寄ってしまう場合が多いですが、本人の選択こそが重要です。

今回の研修会では介護・医療の一体的な介入を図った福井県南越前町での介護保険事業が紹介されました。
「短期集中はつらつ教室」基本コンセプト
①心と体を元気にする
②事業終了後は地域生活への移行
③自立支援と役割行動の促進


模擬ケア会議

研修会の最後には、多職種での模擬ケア会議がありました!
事例に対しての対策案以外にも、地域課題解決に向けた具体的な意見提案があり、未来志向の充実した会議となりました。

(例)
●シニアカーの貸し出し制度があれば便利なのにな
●糖尿病教室のように長く自動車運転を継続するための教室があれば多くの人が喜びそう!
●地域課題を解決するサービスについて、まとめられた情報発信があれば、各OTからも案内しやすいのではないか
●子供食堂の利用、促進とかはどうだろう
●ボランティアポイントをつけて市町で使える金券などと交換できるシステムができれば!
●移動販売や移動手段の多様化
●単発で訪問リハビリにいける体系つくりも必要ではないか

興味が出たかたは、また来年度の研修でお待ちしています!