「自動車運転に対する作業療法士の関わり」勉強会を開催して

 

一般社団法人三重県作業療法士会 運転と作業療法委員会 委員長 宮坂裕之

 

2018年2月24日(土)に藤田保健衛生大学七栗記念病院にて、一般社団法人三重県作業療法士会の運転と作業療法委員会主催の「自動車運転に対する作業療法士の関わり」勉強会を開催しました。まず始めに、2017年7月に県士会員を対象に行った自動車運転に関するアンケート結果(返信率46%)について報告しました。県内で自動車運転に関わっている施設は11施設であり、患者の社会参加やQOLに関わる立場として少ない印象を持っています。

次に2017年2月に、日本作業療法士協会の同特設委員会が協会員からのパブリックコメントを集約し作成した「運転に関する作業療法士の基本的考え方」の読み合わせを行いました。この資料は脳損傷者を対象とした内容になっており、一般的な運転支援の流れや研究報告のレビューが掲載されており、若手作業療法士が運転支援について学ぶことができる内容になっています。また、作業療法士の関心が高い、神経心理学的検査の選定やカットオフ値は、文献ごとの基準はあるものの、それだけでは判断せず、患者の状態(運動機能や診断名、経過など)を詳細に把握した上で、運転再開を判断することが定石で、我々、作業療法士は、あらゆる知識を学習しなければならないと考えています。

次に、本日のメインテーマとして参加者間の情報交換会を行いました。県内5施設の代表者がプレゼンし、症例検討や免許返納後の代替手段の紹介、自院での取り組みや課題について参加者及び施設ごとで意見交換を行いました。地域によって、移動手段に関する事情が異なり、施設の資源を最大限に活用しながら、運転再開や移動支援を行っていることが理解できました。最後は、七栗記念病院で使用しているドライビングシミュレータの体験があり、左下肢でのアクセル、ブレーキ操作や片手でのハンドル操作の練習として利用できることを紹介しました。来年度も同委員会の活動は継続しますので、より多くの会員の参加を促し、知識の研鑽に貢献できればと考えています。

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